雪を沸かして水確保、珠洲市の避難所

ご飯の釜と廃材でお湯をわかす住民=8日午前11時10分、珠洲市若山小

 能登半島地震の発生から8日で一週間。被災地はいまだ断水が続き、避難所では「水が足りない」と悲痛な声が上がる。

 そんな中、避難所となっている珠洲市の若山小では8日、食器などの洗い物に使ってもらおうと、住民がお釜や廃材、段ボールを持ち寄り、雪を溶かしてお湯を沸かした。

 雪が激しく降り、寒さも厳しさを増す中、住民が協力して近くの公民館からお釜とかまどを運び入れた。廃材を薪(まき)として利用し、段ボールをちぎって火をくべ、湯を沸かした。

 同校には7日に給水タンクが届き、より多くのお湯を用意できるようになったという。

 避難所は停電も続いており、エアコンは使用できない。下兼彰二さん(81)=若山町古蔵=は「寒さで手がかじかむから、お湯のぬくもりが本当にうれしい」と話した。

 珠洲市では人口の半数以上に当たる約7千人が避難所に身を寄せるが、暖房用の灯油が不足し、大型車両が入れない地域には人や物資の大量輸送が困難になっている。断水は市内ほぼ全域の約4800戸に上る。

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