北川景子さん無料トークショーが「瞬殺」 参加者4割市外で「市民優遇すべきでは」の声 滋賀

北川景子さんらが出演したトークショー(11月11日、長浜市内保町・浅井文化ホール)=長浜市提供

 行政のIT化推進に伴い、自治体のイベント参加者募集にインターネットを使うケースが増えている。ネットはいつでもどこからでもアクセスできるのが特徴とあって、滋賀県長浜市などが2023年11月に市内で行った人気俳優北川景子さんら出演の無料トークショーは市外からの応募も多く、募集開始2分で締め切られる人気ぶりだった。

 トークショーは、市などで構成する「長浜450年戦国フェスティバル実行委」などが主催。NHK大河ドラマ「どうする家康」で長浜ゆかりの戦国武将、浅井長政の妻「お市」などを演じた北川さんらが登壇した。

 募集は、市が22年1月から導入している電子申請システムを使って行った。QRコードで読み取ったネットの専用フォームに必要事項を入力して申し込む仕組み。対象は市内外を問わず、ネットのみで先着450人を募った。

 記入事項の一つに応募者の住所があり、市が集計したところ、当日の来場者のうち4割程度が市外からだった。

 市外からの来場者が目立ったことについて、ネットだと市内外問わず応募可能だという点を踏まえ、23年12月の市議会で「市民優遇があってもいいのでは」と議員から意見が出た。

 市はアクセス利便性向上や省力化などの観点から電子申請を進めており、ネット募集もその一環。応募を担当した文化観光課は「イベントの性質によっては応募段階で選別して市民を優先するケースがあるかもしれないが、今回は450年を広くPRする趣旨から特に考慮はしていない」と説明している。

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