「早く授業受けたい」 奥能登の小学校 再開めど立たず 避難所の飯田小 自主勉強会や教室片付け

避難所となっている学校で元気にラジオ体操する子ども=9日午前9時5分、珠洲市飯田小

  ●元気にラジオ体操

 被災した奥能登で学校再開のめどが立たない中、本来は新学期が始まる予定だった9日、避難所となっている小学校で「気持ちは3学期」とばかりに子どもたちによる自主勉強会が開かれたり、教職員が再開に向けて校内の片付けをしたりした。「早く授業を受けたい」。被災地の児童は一日も早い学び舎(や)の再開を願っている。

 避難所となっている珠洲市飯田小では、子どもを集めて勉強やゲームをする「みんなの子ども部屋」が開かれ、2歳から中学生まで約20人の笑い声が教室に響き渡った。

 図工室に各教科のドリルやカードゲーム、オセロなどが並べられ、子どもたちはラジオ体操をした後、クラスメートや自宅の状況などについて話し合った。

 6年の清水円佳(まどか)さん(11)は「少しだけ、学校気分を味わえた」とはにかんだ。同級生とはスマホのアプリでつながっており「14人全員が無事で良かった。早く会いたいし、一緒に卒業式に出たい」と話した。

 穴水町内の小中学校3校では、教職員が職員室の片付け作業に追われた。穴水小は耐震に問題があり、避難者はいない。向洋小、穴水中は避難者が教室を使用している。穴水中の廣澤孝俊校長は「オンラインなどで受験を控えた3年生の学習支援を考えたい」と話した。

 能登半島地震で被災した七尾、内灘、志賀、中能登の1市3町の28校は始業日を延期、奥能登2市2町の35校と内灘の1校は授業再開のめどが立っていない。

© 株式会社北國新聞社