福井―大阪・名古屋は3分短縮も乗り換え必須 北陸新幹線の延伸後、料金も割高に

敦賀で乗り換え必要に

 今年3月16日の北陸新幹線敦賀開業に伴い、福井県は東京と直結する。これまで多くの福井県民が移動ルートとして利用してきた「米原回り」に加え、「金沢回り」が有力な選択肢になる。一方、関西・中京方面との行き来は敦賀での乗り換えが必要で、利便性の低下は避けられない。福井と三大都市圏との往来は様変わりしそうだ。

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 北陸新幹線が敦賀駅まで延伸すると、関西と北陸を結ぶ特急サンダーバード、中京と北陸を結ぶ特急しらさぎは、ともに敦賀駅止まりになる。福井県嶺北から大阪や京都、名古屋に向かう場合、北陸新幹線などを使って敦賀まで行き、特急に乗り換えなければいけない。移動にかかる時間は多少短くなる試算だが、料金は現在に比べて割高だ。

 そもそも特急が敦賀駅止まりとなるのは、新幹線と同じ区間を走行する並行在来線となるため。「新幹線の開業効果を最大限発揮するには特急の継続は難しい」(国土交通省)。両者で利用客を奪い合い、互いに経営の足を引っ張ることになったら元も子もないからだ。

 JR西日本によると、北陸新幹線敦賀延伸後、福井―大阪間の最短所要時間は1時間44分、福井―名古屋間は1時間33分(しらさぎと東海道新幹線利用)で現在に比べてともに3分早くなる。しかし、運賃と指定席の特急料金の合計金額は、福井―大阪間は7290円で現行比1150円高、福井―名古屋間は8260円で同2030円高となる。

 敦賀駅でスムーズに乗り換えられるかも鍵だ。1階に在来線特急、2階に乗り換えコンコース、3階に新幹線ホームという3層構造で、駅舎の高さは新幹線駅で最大の約37メートル。JR西は平均乗り換え時間を10分とするが、大きな旅行バッグを抱えた観光客や小さな子どもがいる家族連れには移動は一苦労だ。

 嶺北から敦賀駅への移動は北陸新幹線のほか、JR北陸線を引き継ぐハピラインふくいを利用することも可能。運賃は新幹線に比べて安いが、所要時間はかかる。敦賀駅到着後は、新幹線の敦賀駅まで「動く歩道」を利用するなど、約60メートル移動する必要がある。

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