〈1・1大震災〉泥かき、ごみ搬出に汗 氷見で災害ボランティア活動本格化

土砂をかき出すボランティア=氷見市幸町

 能登半島地震で震度5強の揺れに見舞われた氷見市で9日、災害ボランティアの活動が本格化した。同日は市が受け入れた県内全域の51人が、民家など12件の手伝いに奔走。住宅敷地に流入した土砂のかき出しや壊れた家財道具の搬出などに汗を流した。

 市災害ボランティアセンター・支えあいセンターのボランティア受け入れは同日から開始。初日は被害が大きかった北大町、幸町などの市中心部、断水が続く市北部で泥のかき出しやブロック塀の解体に取り組んだほか、ふれあいの森第2駐車場のごみ仮置き場で、ごみの搬出を手伝った。

  ●住民「とても助かる」

 「生活のことで手いっぱいで、片付けに手が回らなかった。とても助かる」。液状化で家の敷地に大量の泥がたまった幸町の垣内正惠さん(66)はボランティアに感謝した。

 垣内さんによると、家は断水が続き、日々の生活水の確保やトイレ、風呂にも困る状況。重労働の泥の搬出もできそうになく、派遣を依頼したという。

 垣内さん方では午前10時にボランティア6人ほどが到着。スコップでかき出した泥は土のう袋約60袋分にもなり、次々とごみ捨て場へと運んだ。

 「助けになりたい一心で来た」という富山市の渡壁稔さん(67)は液状化を目の当たりにし「富山よりはるかにひどい」と語り、汗を拭った。過去に災害ボランティアの経験があるという富山市の小川小百合さんは「家が片付けば気持ちに余裕が出る。少しでも力になりたい」と力を込めた。

 同センターには9日午後6時時点で、個人・団体計964件のボランティア登録があり、10日も50人程度を受け入れる。

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