福井県が石川県輪島市から入院患者30人受け入れ 自衛隊大型ヘリで福井空港着、各病院へ搬送

ヘリで移送された石川県輪島市の入院患者を搬送する福井県内の救急隊員ら=1月9日午前11時35分ごろ、福井県坂井市の福井空港

 福井県は1月9日、能登半島地震で被災した石川県輪島市の市立輪島病院の入院患者30人を、福井県立病院や市立敦賀病院など8病院で受け入れた。患者は自衛隊の大型輸送ヘリで15人ずつ坂井市の福井空港に運ばれ、災害派遣医療チーム(DMAT)の医師や県内の救急隊員らが各病院への搬送に当たった。

 30人は66~98歳で入院患者のほか、地震で負傷した人もいた。自衛隊ヘリは輪島市から約1時間で福井空港に到着。市立輪島病院から同乗してきた仙台市医療センターの高舘達之医師(47)は「(輪島病院は)病棟の入院患者を診る余裕がない。無事に搬送できてよかった」と話した。福井県は6日に能登町の入院患者15人を受け入れており、被災地の患者は計45人となった。

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 一方、福井県内の宿泊施設や旅館などでは、被災者が避難所から移る「2次避難」の受け入れ準備を進めている。観光庁によると、県内では7日現在、16施設で529人が収容可能だとしている。

 福井県旅館ホテル生活衛生同業組合によると、収容可能な宿泊施設は、福井市やあわら市など嶺北の市町にある旅館やホテルが中心。福井市のホテルリバージュアケボノでは最大30人、同市の福井パレスホテルでは20~30人を受け入れる準備を進めている。いずれも、受け入れ時の予約状況によって収容可能人数は変動するとしている。

 県内自治体の公営住宅でも受け入れ準備を進めており、坂井市は9日、同市三国町の市営住宅3部屋で募集を始めた。

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