「市民に愛される顔づくり」JR富士駅北口に整備の公益施設、富嶽三十六景に着想得たデザイン公表=静岡・富士市

静岡県富士市は、新たな交流拠点として整備を検討しているJR富士駅北口の公益施設について設計条件などが整ったとして、デザインイメージを1月10日、公表しました。

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10日の市長定例会見で公表された公益施設のデザインは、基本設計とデザインをする共同企業体の提案によるものです。

「富嶽三十六景『駿州江尻』に描かれた、駿河半紙が風に舞う風景に着想を得て、江戸時代に駿河半紙の産地だった「紙のまち・富士市」を象徴する“紙を重ねたような”建築様式となっています。

建物は3階建てで延べ床面積約2000平方メートル、鉄道や道路などを結びつけて交流機能の強化を目指しています。

2階に駅の改札があり、2階テラスから大階段で地上階におりられ、商店街や「おまつり広場」などを一体的に結びつけています。

最上階に富士山の眺めを満喫できる「富士山テラス」を整備するほか、富士市が新たに取り組む人材育成の拠点「ものづくりSTEAMラボ」も作るとしています。

2023年5月に選定した共同企業体の提案したデザイン内容について、都市計画決定権者の静岡県、交通管理者の静岡県警に確認し、実現の見通しが立ったことから、今回の公表となりました。

富士駅北口公益施設の整備事業はこれから基本設計に入り、2028年度のオープンを目指しています。

富士市の小長井義正市長は「この案は、富士市にゆかりがある葛飾北斎の富嶽三十六景の駿州江尻に描かれた軽やかな紙のような建築形式や、町と立体的に広がるおまつり広場、富士山ビューを可能とする富士山テラスが描かれている」と説明。「今後はこのプロポーザル案をベースに市民に長く愛される施設を目指し、ワークショップなどで市民の声を聴きながら富士市の新たな顔づくりを進めていく。次の50年に向けて富士市の未来を作る、にぎわいの拠点を実現したい」と話しました。

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