能登半島地震「被害にあった人のことを考えて」被災地支援に今、求められるもの 静岡からは缶詰や市営住宅の提供も

能登半島地震は、1月9日で発生から9日目。さまざまな支援が続いていますが、未だ被害の全容が見えません。影響の長期化も懸念される中、今、被災地のために何が求められているのでしょうか。

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<滝澤悠希アナウンサー>
「午前7時半のJR清水駅です。最低気温2℃という厳しい冷え込みの中、生徒たちが善意を募っています」

静岡県のJR清水駅などで募金活動を実施した、東海大静岡翔洋の中学生と高校生の有志たち。中でも、寮生活を送る、高校3年・中川詞文さんは、石川県能美市の実家に帰省中、震度5強の揺れに襲われました。

家族にけがはありませんでしたが、ふるさとの復興への思いを強く込め、協力を呼び掛けました。

<東海大静岡翔洋高校3年 中川詞文さん>
「今回の地震の怖さや影響を一番わかっていると思うので(活動を見た人たちに)気持ちだけでも、石川県や地震の被害にあった人たちのことを考えてくれればうれしい」

最大震度7を観測した能登半島地震。石川県の死者は202人、安否不明者は102人にのぼっています。

静岡県内の自治体や医療機関からは、これまでに緊急消防援助隊など約930人が被災地で支援活動を実施。しかし、未だ被害の全容は見えていません。

影響が長引くことも懸念される中、被災地支援のために求められるものは何か。その一つが、避難者の生活の実態を配慮した“食の支援”です。

<滝澤悠希アナウンサー>
「こちらが被災地に贈られる鶏肉の缶詰です。かなりの量が積まれています。賞味期限は2026年となっています。影響の長期化を考慮して、日持ちするようになっています」

静岡市清水区の「いなば食品」は、被災地に約20万個の調理済みの鶏肉の缶詰を提供。10日午後、石川県の物資集積所に届けられたあと、各地の避難所などに配られる予定です。

<いなば食品物流管理部 鈴木誠二郎参事>
「一番は手間がかからない、開けたらすぐ食べられること。食べる物に困っている方には、少しでも口に入れていただければ」

<浜松市 中野祐介市長>
「我々の対口支援先であります珠洲市の被災者の方に、市営住宅を提供しようと今、準備を進めております」

住まいの確保も重要です。浜松市は、市内に避難を希望する被災者を想定し、市営住宅約30戸を提供すると発表しました。受け付け方法など詳細は、できるだけ早く提示するとしています。

住まいの確保、食の提供、それぞれ大切ですが、石川県は、道路状況などを考慮し、支援物資の直接の持ち込みは控えるよう呼び掛けています。被災地を本当に支えるには何をすべきか、よく考えてから行動に移すことも大切です。

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