黎智英氏、獄中から扇動記事を指示

香港版国家安全法違反に係る黎智英(ジミー・ライ)氏の事件の公判が1月4日も続けられ、検察は同日の冒頭陳述で香港版国家安全法施行後も『りんご日報』は2021年6月24日の休刊日まで合計85本の扇動的な記事を引き続き掲載したと述べた。1月5日付香港各紙によると、検察は黎氏が「重光団隊」の首謀者であり、西側諸国に中国への制裁を課すよう促し、中国共産党のイデオロギー拡大を阻止するために外国の同盟国が団結して行動するよう提唱したと主張した。 警察がネクスト・メディアの張剣虹・元CEO、『りんご日報』の陳沛敏・元副社長、羅偉光・元編集長を逮捕した後も、黎氏は『りんご日報』の違法行為を支持するよう市民に呼び掛け続けた。

検察は4日、黎氏が逮捕され、2020年8月に釈放された後も「刑務所に行く道を選ぶ」「手錠は私を侮辱できない」などの記事を掲載するプラットフォームとして『りんご日報』を使い続けたと指摘。インタビュークリップでは黎氏が当時も自分の計画を堅持するつもりだったことが分かる。

2020年12月に黎氏が収監されるまで、張剣虹氏、陳沛敏氏、羅偉光氏らさまざまな人物が黎氏に面会したが、『りんご日報』は扇動的で外国勢力との結託を伴う出版物を発行し続け、黎氏も『りんご日報』の運営を指導し続けた。検察は『りんご日報』が扇動的な記事を掲載し続け、その中には2021年2月に掲載した「中国共産党に対する陰謀? バイデンの中国政策の脈動を感じて」など、「国家安全法」を標的としたものもあり、バイデン米大統領と他の国々が中国に対して科学技術・外交封鎖を採用することを主張している。

黎氏は、バイデン氏は中国共産党を制裁するというトランプ大統領の政策を維持するとみて、香港市民に未来を変えるために粘り強く努力するよう奨励し、デモに積極的に参加し、職務を遂行する警察を憎むよう人々を扇動。暴力的かつ違法な手段を使用し、人々に中央政府と特区政府への抵抗を続けるよう奨励した。

検察は、警察が張剣虹氏、陳沛敏氏、羅衛光氏を逮捕した後も、黎氏が依然として巧妙な言葉を使って違法行為を隠蔽し、『りんご日報』の違法行為を支持するよう市民に呼び掛けたと主張。検察はまた31の例を挙げ、黎氏が『りんご日報』で外国に対し中国と香港に対する制裁と封鎖を求める記事を繰り返し書いていたと述べた。黎氏は2020年8月に逮捕されたものの、その後釈放され、2020年9月27日には「香港を弾圧し続けるか…それとも命をかけて国に奉仕するか?」と題する記事で、依然として中央政府が香港の自由と司法の独立を抑圧するためのファシスト手段として香港版国家安全法を利用していると批判し、共産党に対する反対の波が米国にまで広がっていると述べた。米国は中国に制裁を課すだろうが、中国は制裁に抵抗することはできないと述べた。

その後、2020年11月29日の記事「バイデンは虎に乗って降りられない」の中で、黎氏はバイデン大統領に対し、香港の法の支配と自由が変更された後にのみ中国との通商交渉を開始するよう求めた。黎氏は中国が世界平和への脅威であると述べ、中国と米国の間の貿易戦争が中国の経済発展を著しく制限しており、中国は西洋文明の価値観を受け入れなければならないと述べた。

検察は、黎氏が「香港版国家安全法」が公布されたことを知っていたにもかかわらず、中国と香港特区政府に対する悪意のある根拠のない非難を続け、関連する内容をツイッターに投稿したと主張。2020年7月15日、黎氏はツイッターでポンペオ米国務長官(当時)と在香港マカオ米国総領事館の公式ツイッターをタグ付けし、香港の民主派予備選挙に向けて「今、中国の自由の抑圧をボイコットするためにあえて声を上げ、行動を起こすことがこれまで以上に重要になってい流」と述べた。 2020年7月から12月にかけて黎氏は「一国二制度は終わった」とツイートし、香港の人々に「安全な避難所」を提供した米国国務省を称賛し、香港市民を含む不法移民を支援するよう米国政府に要請した。

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