「難攻不落の山城」無残 七尾城跡 石垣が多数崩落、修復めど立たず

地震の影響で石垣が崩れた七尾城跡

 七尾市教委は10日までに、国内最大級の山城である同市の国史跡・七尾城跡で多数の被害を確認した。上杉謙信が攻め落とすまで約1年も苦戦した「難攻不落の山城」とされる同城だが、石垣の崩落や土砂崩れが複数箇所で発生。現在、被災者支援に人員を集中させており、修復のめどは立っていない。

 市教委によると、地震で本丸西側や二の丸東側、桜馬場の石垣が崩落した。通路には無数のひびが入り、市教委は七尾城跡近くにある七尾城山展望台とともに立ち入り禁止とした。

 七尾城跡の石垣は戦国時代に主流だった野の面づら積みの工法が取り入れられ、石垣一つ一つが国の文化財に指定されている。このため被災前の状態を正確に再現する必要があり、崩落していない石垣もいったん全部取り外し、積み直す必要があるという。

 市教委担当者は「今は市民生活を取り戻すのが第一。七尾城跡の修復はいつになるか分からない」と話した。

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