DJI、新型物流ドローン「FLYCART 30」が日本でも発売。シングルバッテリーで40kg、デュアルバッテリーで30kg積載可能

強力な電送システムと情報機能を備えた長距離、重量リフターであるDJI FlyCart 30は、 カーゴモード(荷台)とウィンチモード(吊り下げ)を搭載し、経済的、効率的な輸送ができる大型ドローンだ

DJI FLYCART 30は中国国内では昨年の8月に発表されていたが、今回日本でも発売となった。価格や納期などは、DJI代理店のシステムファイブ、セキドに応相談となる。

重量貨物を長距離輸送可能

FlyCart 30は、8枚のカーボンファイバー製プロペラを4軸に同軸配置したマルチローター構成を採用し、最大飛行速度20 m/sだ。デュアルバッテリー使用中は、最大積載量30kg 、最大航続距離16kmを実現。

緊急時にシングルバッテリーで運用する場合、最大積載量は40kgに増加し、最大8kmの航続距離に対応。DJI O3映像伝送システムにより、ドローンと送信機の安定した接続を最大20km維持する。デュアル操作モードにより、簡単な操作をするだけで、異なる場所にいる2人のパイロット間で制御権限を相互に移譲することが可能だ。

様々な環境に対応

FlyCart 30は、過酷な気象や地形条件下でも、優れた性能や安全性を発揮する。‌FlyCart 30は、保護等級IP55を誇り、-20℃〜45℃の環境温度範囲で動作でき、最大12 m/sの風圧環境下でも飛行できる。

標準プロペラは、最大飛行高度6000mに対応できるように最適化され、30kgのペイロード積載時でも高度3000mまで飛行可能。低温環境下でも、自己発熱機能対応のバッテリーが最適な性能を発揮し続けるという。

運用時の安全性を向上

FlyCart 30は、冗長システムとスマートな安全機能を備え、運用時の安全性を確保する。離陸前に、環境条件をもとに、飛行ルートが利用可能かを判断し、音と光による警告やプロペラの回転開始時の6秒遅延などを使い、安全性を確保することが可能だ。

飛行中は、搭載された前方・後方のアクティブフェーズドアレイレーダーとデュアルビジョンシステムにより、如何なる気候や時間帯でも、多方向での障害物検知を実現。また、有人航空機が付近を飛行している場合、内蔵のADS-Bレシーバーが速やかに警告を発する。緊急時には、機体に内蔵されたパラシュートが低高度で開くことにより、機体を安定して着陸させることができ、周囲の人々や設備の安全性を確保できる。

様々な配送シナリオに柔軟に対応

FlyCart 30は、機体を折りたたむことにより、普通自動車に乗せて運搬できる。

貨物モードでは、70Lケースにペイロードを収納できる。ケースには、重量と重心を検出するセンサーが搭載され、貨物のバランスを保ち、優れた安全性を確保する。

ウインチモードでは、ウインチシステムを使用してペイロードを吊り下げ、着陸しにくいエリアへの配送が可能だ。ウインチシステムは、20mのケーブルを用いて、手動または自動で速度0.8m/sの巻き上げ/下げを行うことが可能で、最大40kgのペイロードを輸送できる。

APプロジェクションは、目的の着陸地点を送信機画面に投影表示することで、正確なペイロードの降下をサポートする。飛行中、FlyCart 30はスマートに姿勢を調整し、吊り下げているペイロードの揺れを自動で軽減させる。

専用ソフトウェアで、ドローンによる配送をさらに円滑化

DJI DeliveryHubは、タスク計画、運用ステータスのモニタリング、チームリソースの集中管理、データの収集と分析に対応し、FlyCart 30による配送を体系的に管理する。FlyCart 30に搭載された高解像度FPVジンバルカメラを通して、ライブビューを確認できる。

‌DJI Pilot 2は、手動・自動飛行に対応するとともに、飛行ステータスやペイロードの状態などをリアルタイムに表示し、安全で効率的な運用が可能だ。また、異常気象やその他の異常事態が発生した場合、DJI Pilot 2は、オペレーターにリスクを警告し、代替着陸地点の管理をサポートする。

DJI DeliveryHubとFlyCart 30は、外部クラウドプラットフォームまたは外部ペイロードと併用することが可能なため、様々な業界に特有のシナリオに適応できる。

バッテリーシステム

DJI DB2000 インテリジェントフライトバッテリー

容量は38,000mAhで1,500サイクル充電できる。自己発熱機能とホットスワップ交換に対応し、時間を節約して、スムーズに動作できる。

DJI C8000 インテリジェントバッテリーステーション

最大充電電力は2回路入力で7,200W、1回路入力で3,600Wとなる。デュアルバッテリー同時充電やシングルバッテリーの急速充電が可能。

室温での充電時間(0%から98%)はシングルバッテリーの場合は26.5分、デュアルバッテリーは36.6分だ。

豊富なアクセサリー

ウィンチシステムキット

DJI FlyCart 30 ウインチシステム キットには、ウインチ、カウンターウェイト、輸送用ランディングギア、延長ケーブルが含まれている。キットはDJI FlyCart 30に素早く取り付けることができ、複雑な配送作業を簡単に行える。

DJI WB37バッテリー

DJI RC Plusの電源として使用できる。4920mAhバッテリーセルを採用し、低温での放電性能に優れ、充電も素早く行える。

DJI WB37充電ハブ

DJI WB37の充電に使用する充電ハブは、サードパーティ製のUSB-C充電器や65W PD規格対応急速充電器と互換性がある。

DJIセルラードングル

ドローンおよび送信機の強力な‌4G映像伝送に対応しており、送信機を携帯電話ネットワークに接続できる。

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