知事、輪島被災「悲しい」 かつて祖父が漆器店

輪島への思いなどを語る新田知事=富山県庁

 富山県の新田八朗知事は10日の会見で、自身がルーツを持つ輪島市が能登半島地震で甚大な被害を受けたことを問われ「大変に悲しいことだと思っている」と私見を語った。大規模火災が発生した同市河井町で、かつて祖父が漆器店を営んでいたとし、親戚の漫画家・永井豪さんの記念館が全焼したことにも触れ、犠牲者を悼んだ。

 新田知事は父方の祖父が輪島市出身で、同市出身の永井さんとは親戚関係に当たる。知事は、朝市通りのある河井町について、祖父が漆器店を営み、おじが内科クリニックを開業していたとし「まさに私の家のルーツ」と振り返った。

  ●親戚の永井豪さん記念館全焼に触れる

 2009年に輪島市が永井さんを紹介するために整備した観光スポット「永井豪記念館」も大規模火災で全焼したとし、肩を落とした。

  ●「私と馳知事の関係を超える」 石川に政府の本部 

 新田知事は、石川県の馳浩知事との連携を問われたのに対し、政府の現地本部が既に石川県にできている状況と説明し「もはや私と馳知事の関係を超えることになっている」と述べた。一方で支援の依頼があれば、富山県民への対応を最大限行った上で取り組む姿勢を示した。

 最大震度7を観測した志賀町に位置する北陸電力志賀原発については、北電側から地震による油漏れなどの被害は安全上問題ないと報告を受けているとした上で「再稼働は国の判断なので私がここでコメントすることではない」と述べた。

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