「2次避難」福井県内で公営住宅78戸の提供可能 能登半島地震の県支援本部会議 介護施設など入所者受け入れは147人分確保

能登半島地震の被災地支援について情報を共有した福井県支援本部会議の初会合=1月10日、福井県庁

 能登半島地震の被災地支援に向け福井県は1月10日、支援本部会議の初会合を県庁で開いた。被災者の避難生活の長期化に備え、石川県内の避難所から移る「2次避難」先として、福井県と県内13市町の公営住宅計78戸を提供できるとの見通しを示した。また、石川県七尾市の被災児童1人を大野市が受け入れ、小学校に通学する予定とした。

 石川県内の被災地への職員派遣は10日午前11時現在、福井県や市町、県警、消防の各機関から延べ647人。同日現在、各機関の184人が珠洲市内の避難所の運営支援などに当たっている。

 福井県は国の応急対策職員派遣制度に基づき珠洲市を担当している。会議では、同市内の67カ所に避難所が開設され、5800人以上が避難生活を送っていると報告。高齢者福祉施設は8施設で建物の一部破損、断水などの被害が出ているとした。介護施設などへの職員派遣は現時点で25人が可能で、聴覚障害のある避難者支援のため手話通訳士1人を避難所などに派遣することも検討しているとした。

 また、被災した介護施設などの入所者の受け入れについて、福井市や越前市など県内12市町の45施設で計147人分を確保でき、石川県から要請があり次第、順次対応していくとした。

 公営住宅の提供は、県営が福井市内の4カ所で32戸、13市町は計46戸。現在、準備を進めている自治体もある。このほか、石川県内の火葬場が被災したことを受け、要請があれば1日20人の遺体を福井県内で火葬する体制を整えた。

 杉本達治知事は職員派遣について「マンパワーをできるだけ現場に出していくことを考えてほしい」と各部局に指示。「今後は応急仮設住宅や罹災(りさい)証明書の発行支援なども柔軟に対応していく」との考えを示した。

© 株式会社福井新聞社