神宮外苑再開発 事業者がイチョウ並木の根の調査、断面を公開

再開発によるイチョウの根への影響は?神宮外苑の再開発を行う三井不動産などの事業者がイチョウ並木の根の状況を確認する調査を始め、土の中の断面を報道陣に公開しました。

記者:「イチョウ並木から約10メートル離れたテニスコートの中で、根の調査が行われています」

調査は、並木に隣接する建物の建設によって、イチョウの根に影響がないか判断するために行われます。

三井不動産などの事業者はイチョウの根への調査を去年1月にも実施していましたが、十分に確認出来てない箇所があったため、2回目の調査に至りました。根の位置や生育状況を把握するため、専門の樹木医らが1メートル四方の中にある根の本数や太さを確認します。

調査の対象は、イチョウ並木の西側にあるテニスコートの敷地などで、一番西側のイチョウから9メートル離れた場所の土を10か所以上掘ります。調査が行われるエリアには、将来的にホテル併設の野球場の建設が計画されています。調査は来月(2月)上旬まで行われ、夏頃を目安に都の審議会に結果を報告するということです。

まずは神宮外苑の再開発の概要を振り返ります。神宮球場や秩父宮ラグビー場を解体して、場所を入れ替える形でホテル併設の野球場などが建設予定です。今回、根の調査はこのイチョウ並木の西側、テニスコートの中で行われています。

ここからは取材した記者の椿原さんとお伝えします。椿原さんは1月10日、調査の現場を取材しましたが、土の中はどのような状況でしたか?

椿原記者:「今回取材した場所では深さ1メートルほど掘られていたんですが、太さ1センチほどのイチョウの根がいくつも確認できました。この調査では野球場ができるエリアも含まれるということで、根の状況によっては事業者側が計画の見直しを検討しなければならないこともありそうです」

こうした調査を事業者が公開することはあったんでしょうか?

椿原記者:「去年1月にも根の調査というのは実施しているんですが、その時はメディアへの現場の公開はありませんでした。これまで審議会や説明会など限られた人にしか公開されないことへ疑問の声というのもありましたので、今回、中の様子が公開されたことに事業者側の変化を感じました」

来月(2月)までの調査ということですが、この計画通り進んでいるでしょうか?

椿原記者:「現状としては進んでいないように見えます。もともと去年の9月以降再開発に伴う樹木の伐採を始める予定だったんですが、東京都からの要望を受け、木の伐採本数を見直したラグビー場の計画を変更する届けを提出することになりました。去年のうちに出すことを目指していたんですが、現時点で提出されておらず、事業者は今月中を目指しているとしています。樹木の伐採を巡っては反対する声もありますが、計画は2036年に整備完了予定となっています」

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