〈1.1大震災〉氷見の下水管異常多発 破損やズレ、砂詰まり

マンホールを開けて下水管を確認する職員=氷見市幸町

  ●流れにくく/市、節水呼び掛け

 能登半島地震で震度5強の揺れに見舞われた氷見市で、下水管の異常が続々と見つかっている。管が破損やズレ、砂の堆積で詰まって下水が流れにくくなったり、あふれたりする被害が出ており、市民生活に影響している。市は全域で調査を進めるが、マンホールは約1万2千個と膨大で11日現在も被害の全容把握のめどは立たない。今後もあふれる箇所が増える恐れがあり、市は節水を呼び掛けている。

 「詰まった場所に汚水がたまれば、あちこちであふれる。復旧が長引くと大変だ」。市の下水道担当者は頭を抱えた。

 市によると、仏生寺では管が破断して汚水があふれ、1日1回ポンプでくみ上げて対処。液状化がひどい市中心部の幸町でも管内に泥が詰まって汚水があふれそうになり、2度にわたり管を洗浄した。管が凸状に浮き上がり水が流れにくくなる被害も出ている。

 市は復旧を急ぐが、市内の下水道は延長375キロにわたる。調査も3段階の工程を経て工事が必要な地点を絞る必要があり、時間がかかっている。まずマンホールを目視して亀裂や浮き上がりのある地点を特定。異常のあったマンホールを開け、水、砂のたまり具合や内部の損壊を確認。水や砂を排出してカメラで内部を確認し、ようやく工事に移れるという。

 調査は2日に開始したが、全マンホールの目視確認が12日にようやく終了する。内部の損壊調査は今後本格化するが、既に粟原地区だけで36カ所の不具合が見つかっている。

 調査には現在、県や県東部の自治体から15人ほど応援の派遣を受けており、市は追加の要請を検討している。市のホームページや通水地区の自治会宛ての文書で節水を呼び掛けており、担当者は「大量の水を使う風呂はなるべく控えてほしい」と訴えている。

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