壱岐市磯焼け対策協 藻場回復でJBEから「Jブルークレジット」認証を受ける

 長崎県壱岐市磯焼け対策協議会(会長・白川博一市長)は、磯焼け対策で回復した藻場が温室効果ガスを吸収したとして、国認可のジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)から「Jブルークレジット」の認証を受けた。
 海の植物が取り込んだ炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれ、温暖化対策の一つとして注目されている。JBEは、藻場再生などに取り組む団体を認証。炭素吸収量を測定し、独自の「クレジット」として民間企業に販売できる取り組みを進めている。
 同協議会は2019年から、藻場を食べる植食性魚類イスズミを捕獲する事業を展開。4年間で約2万7千匹を駆除した。その結果、同市郷ノ浦町の三島・渡良地区の一部海域でホンダワラ類が急速に回復。昨年春には約270万平方メートルの藻場の群落が確認された。
 同協議会によると、認証は県内2例目。今回発行されたクレジットは約975トン-CO2。JBEを介し、クレジット0.1トン-CO2当たり9900円で販売するなどし、収益は磯焼け対策事業の拡充に充てる。同協議会によると、温室効果ガスの削減や地域貢献に熱心な企業がクレジットを購入する動きが全国的に拡大しているという。

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