能登半島地震 断水続く珠洲市では「川の水がくみ上げられない」現地支援の名古屋市職員が語る被災地

テレビ愛知

能登半島地震の被災地では広い範囲で断水が続き、飲み水の確保に困っている地域もあります。そんな中、名古屋市上下水道局は珠洲市と七尾市に職員を派遣しました。現地で破損した水道管の調査・復旧作業、水の配給などにあたっています。

被災地の断水の現状について、現地で調査にあたった名古屋市上下水道局・高倉俊夫さんに話を聞きます。高倉さんは2日から10日まで、地震の被害が大きかった被災地で断水の状況を調査していました。

川の水をくみ上げるパイプが破損

七尾市のパイプの状況

石川県によりますと、11日の午後2時現在、七尾市で約2万400戸、輪島市で約1万戸、志賀町で約8800戸など、県内であわせて約5万8000戸が断水しています。

――名古屋市の上下水道局では、現地の断水状況の調査と給水活動をしたとのこと。給水活動について教えてください。

名古屋市上下水道局 高倉俊夫さん:
「飲料水はある程度行きわたっています。名古屋市でも給水車を出し、応急給水を行いました。被災者から『助かりました』『ありがとうございました』などの声をかけられたと聞いています」

――断水の理由、調査の結果どんなことが分かりましたか。

名古屋市上下水道局 高倉さん:
「自治体ごとに、被害の大小はあります。最も被害が深刻なのは珠洲市です。浄水場に川の水をくみ上げて水道水を作って供給しているのですが、川の水をくみ上げるパイプが破損してしまっていました。浄水場に川の水が届かない状況になっています。(画像は)七尾市のものですが、こうした状況が至るところで起きています」

石川県珠洲市の水道施設のイメージ

石川県珠洲市の水道施設のイメージをイラストにまとめました。

1.川の水を浄水場に送る
2.浄水場で水を作る
3.山間、高地にある中継地点に水を送る
4.低地の各世帯に水を送る

現時点では1の川の水を浄水場に送るパイプが破損していて、中継地点のパイプも壊れているといいます。

――浄水場や配水池などの破損もありそうでしょうか。

名古屋市上下水道局 高倉さん:
「現在、点検に入っています。水道の場合は、一度水を入れてみて漏れているところや機械が動かないところを点検します。川の水がくみ上げられないとのことで、まだその初期段階に至っていない状況です」

仮の菅を道路に並べ、川から浄水場までのパイプを確保

名古屋市上下水道局による作業

――現状の作業について教えてください。

名古屋市上下水道局 高倉さん:
「まずは川から浄水場にくみ上げるパイプを復旧しようと。本来は道路の下にある水道管ですが、ほとんどのパイプが抜け出している状況が想定されます。仮の菅を臨時で道路に並べて、川から浄水場までのパイプを確保しようと考えています」

――水道が使えるようになるのは、最短でいつ頃になりそうでしょうか。

名古屋市上下水道局 高倉さん:
「機械の点検等がありますが、最短で1カ月程度はかかるのではないかと思います」

※高倉俊夫さんの「高」ははしごだか

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