輪島、珠洲で仮設住宅115戸着工 泉谷市長「4千戸必要」

仮設住宅の建設に向け測量を進める作業員=12日午前10時15分、珠洲市正院小

 能登半島地震で被害が激しかった輪島市と珠洲市で石川県は12日、仮設住宅計115戸の工事を始めた。1カ月後をめどに完成を急ぐ。

 奥能登では道路の寸断で約2500人が孤立状態にある。避難者数は2万3000人を超える。珠洲市の泉谷満寿裕市長は同日、北國新聞社の取材に「市内は約6千世帯あるが、住宅はほぼ全壊している。4千戸は用意すべきだ」と述べ、増設の必要性を訴えた。

 12日午前は珠洲市正院小グラウンドで40戸、輪島市の農村ふれあい広場で30戸の整備が始まった。午後に珠洲市みさき小、輪島市のキリコ会館多目的広場でも工事が始まる。正院小で作業を見守った今田真理子さん(51)は「縫製工場の仕事があり、珠洲を離れられない。仮設に入れるなら、入りたい」と話した。

 仮設住宅は、災害救助法に基づき被災者が住宅を確保するまで自治体が無償提供し、原則2年入居できる。能登、穴水両町でも計60戸の建設を15日にも始める予定。

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