慣れていない個人ボランティアの被災地入り…道路の亀裂にはまると優先車両の通行に支障が

テレビ愛知

能登半島地震の発生から12日目。復旧に欠かせないのがボランティアの存在です。現地ではすでにNPO・NGO団体などが様々な活動をしています。一方で個人のボランティアが県外から被災地に行くのは難しい状況です。一体なぜなのか。現地で活動したボランティア団体の代表は、「県外から被災地に行くにはまだ危険だ」と話します。

全国で活動するNPO団体「災害エキスパートファーム」共同代表 浅沼馨さん:
「(活動の)第一段階が一般のボランティアを受け入れられる状態にすること。一般のボランティアを受け入れられるような危険を取り除くことを目標にしている。僕らだけではとてもじゃないけど対応できない」

一般のボランティアを受け入れることができない要因は?

浅沼さん:
「道路状況が相当悪く渋滞が解消されていない、まずそこをどうにかしないと。むやみに慣れない人が通ってしまうとさらなる渋滞の原因になってしまう」

浅沼さんは1月3日から8日まで石川県の珠洲市や能登町などで活動しました。作業のほとんどは道路の復旧だったといいます。

浅沼さん:
「(道の亀裂にはまった車の)前輪の後ろにジャッキをかけて持ち上げて、持ち上がった分だけがれきを詰めてまた上げて。これを撤去することで自衛隊の車両など重装備の車両は通行できる状況になる。亀裂にはまった車一台が邪魔で片側(交互)通行になっていたりだとか障害になってしまう。普段の生活での片側交互通行はタイマー式の信号機が置いてあったり警備員さんがいたりだとかが普通。誰もいない状態での片側交互通行なのでかなり危険」

5時スタ 石井キャスター:
「災害に関するノウハウを持っていない一般のボランティアは入らないほうがいいかもしれないということ?」

浅沼さん:
「残念ながら厳しい状況です。雪が降ってしまっているクラックに雪が積もると分からなくなる見えなくなってそこに落ちてしまうのが一番怖い」

5時スタ 石井キャスター:
「復旧には人手が必要だが、その人手が(被災した現場に)向かえないのは苦しいですね」

浅沼さん:
「僕らだけで被災地は救えない。最終的にはマンパワーが必要。一般のボランティアを近いうちに来られる状況にしていきたいし、しなくてはいけない」

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