阿武松の石碑、残った 能登町出身の横綱 地元住民「さすが」

地震にびくともしなかった阿武松碑=12日午後1時、能登町七海

 能登半島地震で大きな被害を受けた能登町七海区で12日、地元出身の6代横綱、阿武松(おうのまつ)緑之助(みどりのすけ)の顕彰碑が、地震の被害を受けていないことを地元住民が確認した。同地区では多数の家屋や道路に被害が出たが、碑に目立った損傷はなかった。住民は「さすがは横綱の石碑」と感心し、負けじと復旧・復興に向かう気持ちを新たにした。

 阿武松は奥能登唯一の横綱で、能登町によると、江戸時代の1791(寛政3)年に七海村で生まれ、1828(文政11)年の3月場所で横綱に昇進した。初土俵以来、1835年に引退するまで一度も負け越さなかったとされる。
 顕彰碑は高さ4.5メートル、幅2.4メートルで、1937(昭和12)年に建立された。東哲範区長(77)は「あんなに大きいのに、地震にびくともしなかった。七海区も地震に負けずに踏ん張りたい」と話した。

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