希望者1人もおらず 工場周辺の井戸水から高濃度「PFAS」検出で住民対象に水質調査=静岡市

静岡市清水区三保の化学工場周辺で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」が高濃度で検出されている問題をめぐり、静岡市は化学工場周辺の井戸水を飲んでいる住民を対象に水質調査の希望を受け付けていましたが、1月12日正午までの受付期間終了時の時点で、希望者が1人もいなかったことが、市への取材で分かりました。

静岡市清水区の化学工場「三井・ケマーズフロロプロダクツ清水工場」周辺で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」が高濃度で検出されている問題をめぐっては、静岡市が2023年10月以降、工場周辺の水路や井戸でPFASの濃度調査を行ってきました。2023年12月には、工場近くの三保雨水ポンプ場の排水から国が定める基準値の220倍にあたる1万1,000ナノグラムのPFAS濃度が検出されたと発表しました。

市の調査では、三保地区のほか、折戸地区や駒越地区の井戸でも高い濃度が検出されていて、地下水については、当面飲用を控えてほしいと呼びかけていましたが、市が工場周辺の井戸水を飲んでいる住民を対象に水質調査の希望を募ったところ、受付期間終了の12日正午までに、希望者は1人もいなかったということです。市は今後も希望者がいれば調査を行う方針を示しています。

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