〈1.1大震災〉避難1500人受け入れ可能 県ホテル・旅館組合

 富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合の坂井彦就理事長は12日、県庁に新田八朗知事を訪ね、能登半島地震を受け、現在組合に加盟する約160施設のうち52施設で被災者約1500人の受け入れが可能だと説明した。氷見市などの被災施設で営業再開に向けた準備が進んでいるとし「大変な思いをしている被災者を癒やしたい」と力を込めた。

 県は被災者支援策として9日からホテルや旅館を避難所として活用している。災害救助法が適用された市町村の住民が対象で、費用負担はない。各自治体の防災担当課で申し込みを受け付ける。県によると12日正午時点で、県内の3世帯7人が2施設に身を寄せている。

 新田知事は発災時に、各宿泊施設で利用客の避難誘導や食事の提供などが行われたことに感謝した。被災者の受け入れについて石川県から要請があるとし「円滑に進められるように協議する」と述べた。

 組合から県に対し、旅行の需要喚起策や地震からの復旧・復興に向けた補助制度の適用、雇用の維持支援など6項目の要望書が提出された。坂井理事長は2日時点で、加盟44施設で1億5千万円分の予約キャンセルが発生したと説明した。氷見市の旅館関係者もキャンセル対応や水回りの整備に追われているとし、支援の必要性を訴えた。

 新田知事は、3月の北陸新幹線敦賀開業や6月の黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放、秋の大型観光宣伝事業「北陸デスティネーションキャンペーン(DC)」に触れ「今年は富山の観光にとってチャンスの年」と強調。旅行意欲が減退しないように予定している施策を進めるとした。

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