〈1.1大震災〉輪島の全中学生集団避難 白山市で受け入れへ

  ●保護者に意向調査

 輪島市教委は11日、能登半島地震で被災した市内の輪島、東陽、門前の全3中学校の生徒約400人を対象に検討している集団避難について、白山市内で受け入れてもらう方向で調整していると明らかにした。石川県有施設2カ所を移転候補に保護者への意向調査を始めた。授業に関しては、移転施設内で行うか、白山市内の学校を借りるかなどを選択肢に、希望人数に応じて対応する。

 輪島市内では大半の校舎が避難所になっており、学校再開のめどがたっていないため、子どもたちの学習機会を確保する。

 昨年12月1日時点で市内には児童699人、生徒401人がいる。10日までに全員の無事を確かめた。

 市役所で会見した小川正教育長は8日に県に受け入れを打診し、白山ろく少年自然の家、白山青年の家のいずれも県施設を対象に調整を進めてもらっているとした。教員も随行するという。

 集団避難は生徒のみの受け入れで、保護者の同意を確認するため、11日から連絡用の通信アプリを活用してアンケートを実施。12日までの回答を求めている。

 市内で最多の328人が通う輪島中は避難所となっており、約900人が身を寄せる。小川教育長は上下水道の復旧が見通せず、公舎や敷地内に亀裂が入るなど安全な学習環境が確保できないことや、道路状況が悪く通学の安全性も保てないと指摘した。

 その上ですでに少なくない生徒が市外に転出しており、所在の特定も合わせて実施するとし「意向調査の集約が済んだ段階で出発させ、2カ月程度で戻れないかと考えている。残るという選択をした生徒、小学生についても学習機会を損なうことがないよう対応したい」と話した。

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