〈1.1大震災〉被災者に花の癒やし 射水の生花店・松村さん「心のケアを」

被災者を受け入れる旅館に富山県産の花を贈る松村社長(中央)=小松市粟津町(松村社長提供)

  ●氷見、小松の避難所に贈る

 生花店「花まつ」を展開するジャパンフラワーコーポレーション(射水市)の松村吉章社長(55)は12日までに、能登半島地震の被災者支援として、2次避難所などに花を贈る取り組みを始めた。今までに小松市や氷見市の旅館などに花を贈っており、被災者からは「元気をもらった」と好評だった。今後も長期的に花を通した「心の支援」を行っていく予定で、被災者の気持ちを和らげていく。

 松村さんは東日本大震災発生時に避難していた知り合いから「避難生活が長引くにつれ、気持ちがつらくなってくる」などの相談を受けたことから、陸前高田市の避難所に花を贈った。被災者からは「花は勇気をもらえる」などと感謝された。

 今回の能登半島地震でも隣県で起きた災害を支援するため、生活物資を運ぶ支援を優先としながら、花を必要とする被災者に贈ることにした。3日には氷見市窪で炊き出しや温泉の無料開放を行っていた「民宿あおまさ」に支援物資としてお米と「希望」が花言葉のガーベラを届けた。8日には2次避難所として能登からの被災者を受け入れる小松市粟津町の旅館「法師」に富山県産のチューリップを贈った。

 能登地方では多くの生花店が地震の影響で営業できない状態が続いており、遺体に手向ける花も入手しにくいとの情報があったことから、仏花なども贈る計画があり、14日に七尾市で行う炊き出しに合わせて花も持参する。

 花による支援は長期的に行う方針で、子どもや高齢者のトラウマを軽減できるように活動する。松村さんは「花には癒やしや勇気、笑顔をもたらすことができる。少しでも避難者の安らぎにつながれば」と述べた。

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