水門・陸閘の自動閉鎖、安全のとりで 大船渡で住民説明会

綾里漁港海岸港地区に設置された陸閘の自動閉鎖システムを見学する参加者

 岩手県は11日、大船渡市三陸町綾里(りょうり)の綾里漁港海岸港地区に整備した水門・陸閘(りっこう)の自動閉鎖システムの住民説明会を開いた。地域住民や関係者ら約30人が参加。能登半島地震の被災地に思いを寄せながら、有事の際に安全で確実に避難するための意識を高めた。

 大津波警報発令を想定し、遠隔操作で水門と陸閘を閉鎖。参加者がその様子を確認した。県大船渡水産振興センター職員は▽停電時も予備電源で作動▽陸閘のゲートに挟み込み防止装置が設置されている-などと説明。逃げ遅れても慌てず、非常扉や非常階段を使用するよう呼びかけた。

 綾里漁港海岸の港、田浜、石浜の3地区の復旧・整備の総延長は約915メートルで水門1基、樋門(ひもん)3基、陸閘6基を備える。2023年3月までに防潮堤は完成、同12月までに全水門・陸閘自動閉鎖システムの運用を開始した。総事業費は73億9100万円。

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