〈1.1大震災〉ひみ番屋街、総湯再開 避難者、ボランティア無料

テナントが再開してきた館内=氷見市のひみ番屋街

  ●「生き返る」と笑顔

  ●物販店舗も半数10店開く

 氷見市のひみ番屋街にある温泉施設「総湯」が13日、営業を再開した。能登半島地震後の断水の影響で休止が続いていた。避難者や災害ボランティアには無料で提供し、地元客のほか、隣の七尾市などから次々と来場。温かい湯に「久々のでかい風呂や」「生き返る」と笑顔が広がった。物販・飲食施設は今も断水が続くが、物販店舗のうち約半数の10店舗が再開し、日常復帰に向け一歩ずつ前進している。

 「ようやく再開できた。長かった」。地震があった今月1日ぶりの再開に櫻打俊也支配人はほっとした表情を浮かべた。

 櫻打支配人によると、地震当時は客約40人がいた。激しい揺れの後、客はぬれた髪のまま避難。床は水浸しになり、ロッカーに靴を残したままはだしで逃げた客もおり、大騒ぎだったという。施設には大きな損傷はなく、サウナと炭酸風呂を除いて再開した。

 13日は地元客のほか、石川ナンバーの車も続々と訪れた。断水が続く七尾市から訪れた黒崎敦さん(58)は「初めて来たけど気持ちいい。30分くらいで来られるので助かる」と声を弾ませた。常連客の津里喬さん(79)=氷見市比美町=は「疲れがとれて最高。日常が少し戻った感じがして、安心したちゃ」と笑顔を見せた。

 総湯は19日まで避難者と登録災害ボランティア、小学生・幼児に無料で提供。大人(中学生以上)は200円引きの500円とする。無料期間は延長も検討しており、尾町和広取締役事業部長は「入浴している間だけでも心身をリラックスしてほしい」と話した。

 飲食・物販施設は断水が続くが、13日までに敷地北側の公衆トイレ1カ所が復旧。テナントも干物店全6店と土産物館、青果店などが再開し、少しずつ客の足が戻って来ている。

 氷見市内では、姿の旅館「ひみのはな」なども同日から、日帰り入浴を再開した。

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