〈1.1大震災〉ボランティア雨雪耐え奮闘 氷見、受け入れ後初の休日

雪の降る中、崩れた石塀を撤去する災害ボランティア=氷見市柳田

  ●ごみ搬出、がれき撤去

 能登半島地震で震度5強を観測した氷見市で13日、災害ボランティアの受け入れ後、初の土曜を迎えた。雨と雪が降る、厳しい寒さの休日。県内から集まった44人は「困ったときは助け合い。力になりたい」と災害ごみの搬出やがれきの撤去、清掃などに奮闘した。

 「せーのっ」。氷見市柳田の宮下健一郎さん(86)宅前では、男性7人が倒壊した石壁のがれきを次々とトラックに積み込んだ。

 宮下さん宅は、家の前を走る国道415号に沿って高さ約1.5メートルの石塀を設置。がれきは道路の半分をふさぎ、警察官に敷地内に移してもらったが、その後は重くて動かせずにいた。ボランティア派遣を依頼した宮下さんの孫で中学教諭の奈々恵さん(27)は「この雨と雪で申し訳ないが、自分たちではどうしようもなかった」と感謝した。

 「早く大好きな氷見を元に戻したい」。近くに住む石川高専4年の西川朝陽さん(19)はこんな思いを胸にボランティアに参加。偶然にも奈々恵さんは中学時代の教員で「助けられて良かった」と笑顔を見せた。

 立山町の消防団員で防災士の経明(つねあき)純さん(62)は「明日はわが身の思い。災害時の組織運営、連携の勉強も兼ねている」と話した。

 家屋損壊が目立つ宇波の1人暮らし高齢者宅では、男女9人が大量の災害ごみを連携して搬出し、トラックでごみの仮置き場に運んだ。富山市の村上柚芽香さん(23)は「被害の大きさを実感した。また力になりたい」とボランティアの継続を誓った。

 市災害ボランティア・支えあいセンターによると、天候が回復する見込みの14日は過去最多の90人以上が活動を予定する。ボランティア登録者は県内だけで997人で、同センターは活動休養日に派遣ニーズの掘り起こしを図り、ボランティアの力を最大限生かせるよう努めている。

  ●高岡でも58人が汗

 高岡市では、市社会福祉協議会が募集したボランティアが復旧作業に取り組んだ。県内外の58人が参加し、伏木地区など10カ所で、側溝の泥出しや部屋の片付けなどに汗を流した。

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