明治40年に創業、名古屋で最古の大衆酒場「大甚本店」 開店前から行列に かまどで燗をつける絶品日本酒

大甚本店

名古屋市中区・伏見にある「大甚本店」は、名古屋駅と栄を結ぶ広小路通沿いにある大衆酒場。午後3時45分と夕方には早い時間に開店するにもかかわらず、開店前から行列ができるほどの人気店です。

117年の歴史を持つ大衆居酒屋

大甚本店の店内

明治40年に創業した大甚本店は、名古屋に現存する居酒屋としては一番古い店です。117年の歴史を持ち、戦後間もない昭和29年に建て直して以来、当時の面影をそのまま残す趣深い店内。“レトロ”という言葉では表しきれないほどの空間が広がります。

そろばんで会計

そろばんで会計をするのも大甚本店ではお馴染みの光景。使われているそろばんは「5つ玉」とクラシックスタイルが貫かれています。

セルフスタイルのつまみ

大甚本店では、酒のつまみも昔ながらのスタイルで提供します。毎朝仕込んだ手作りのつまみが小鉢に入ってずらりと並び、好きなものを自分で取って席に運ぶのが大甚流。カウンターに立つのは御年85歳の三代目・山田弘さんです。

創業以来受け継がれる人気メニュー

イワシの煮付け

毎日30種類ほどが用意されるつまみの中でも「かしわのうま煮」と「イワシの煮付け」は創業以来受け継がれてきた人気のメニュー。その日に作ってその日に食べるのも、創業から変わらないスタイルです。

かしわのうま煮

年配の常連客が多い大甚本店ですが、最近では若者たちの姿も多くなってきたとのこと。コロナ禍で客足が落ちたときにメニューを見直し、注文が入ってから作る揚げ物や炒め物、ご飯物なども取り入れたことで若者にも親しまれるようになったといいます。

昭和29年から使い続けるかまどで燗をつける

樽を開封してとっくりに移す

地元だけでなく、全国に常連客を持つ大甚本店。人気の秘密は店で提供されるこだわりの日本酒「賀茂鶴 樽酒」。開店の1時間前に樽のまま運び込まれてそのまま開封。とっくりに移したあとは、現在の建物ができた昭和29年から使い続けているかまどで燗をつけます。かまどを使うことで、通常よりも香り高い味わいに仕上がるのです。

日本酒

100年以上にわたり名古屋の真ん中で愛されてきた大甚本店。ベテランと若者が気軽に交流することも、今では当たり前の光景になっています。

© テレビ愛知株式会社