アジア杯で“中東の笛”の餌食になった吉田麻也、退場宣告の主審から謝罪された秘話 「とんでもないジャッジがいっぱい」「あれは申し訳なかったと」

アジアカップの覇権奪還を目指す日本代表は、14日にベトナムとの初戦を戦う。

かつて日本代表のキャプテンを務めた吉田麻也は、アジアカップの難しさを知るひとりだ。

彼は日本歴代3位となる126試合に出場したが、代表戦で唯一となる退場を味わったのが2011年のアジアカップ準々決勝のカタール戦。

吉田は開催国カタールとの対戦で、マレーシアのスブヒディン・モハマド・サレー主審から2枚のイエローカードを提示され、後半途中に退場を宣告された(動画1時間24分35秒から)。

いまならVARが介入しているような判定のはず…。ただ、日本は3-2でカタールに競り勝ち、結果的には優勝している。

その吉田は、TOKYOFMをキーステーションに放送されていた「チャレンジ&カバー」で、“中東の笛”についてこんな話をしていた。

「中東の笛は、アラブ諸国に有利なジャッジが下されることを言うんですけど、ここ10年くらいで劇的に改善しているなと思います。

僕が最初にアジアカップに出た時(2011年大会)は、ひどかったです。とんでもないジャッジがいっぱいあって。僕もそこで退場したり、川島永嗣選手がPKをとられたりとか、不可解なジャッジがいっぱいあったんです、当時は。

でも、今はVARも介入されて、そういう『ん!?』ってクエスチョンのあるジャッジができなくなりつつあるのかなと。それと、単純にレフェリーの質がこの10年で急速に上がったんじゃないかなとも感じます。なので、今は中東の笛は、ピッチの真ん中では起こるかもしれないですけど、ゴールに近いところではなかなか発揮されないかなぁと。

これはひとつ日本にとっては安心材料かなと思うので。とはいえ、アジアカップは何があるか分からないし、かける思いはどの国も同じなので、決して簡単な試合はないですし、実際に前回も前々回もタイトルを逃しているわけで。ここは是が非でもアジアカップを獲りに行かなければいけないと思っています」

「アジアのなかでは日本のレフェリーは質が高いと思います。でも、まだまだJリーグを見ていると、『ん!?』と思うこともあるので、もちろんレベルアップをしていかなきゃいけないなと思います。Jリーグもヨーロッパから審判団を招待して何試合か吹いてもらったりもしてるんですよね。そのなかで基準が上がっていく。選手の質もレフェリーの質も上がっていくことによって、よりエキサイティングな試合が行われていくのは理想的な形かなと思います。

アジアに関しては、良くはなっているんですけど、まだまだ足りないところも沢山あるので。大きな大会では細心の注意を払わなければいけないですし。レフェリーとの駆け引きも必要になってくるので。その辺はこれから日本がもう一個学んでいかなければいけないことかなと思いますけども。

ちなみに、大きな大会になると、AFCのレフェリーが来て、こういうのが今大会ではファウルですよとか説明されるんですよ。そこでね、僕をアジアカップで退場に追い込んだレフェリーがインストラクターとして来たんですよ。僕、その時に謝られましたからね。

『あの時の審判じゃん。あの試合、見た?振り返った?』って(言ったら)、『あれは申し訳なかった。でも、お前勝ったな』とか誤魔化されたんですけどね(笑)それもアジアらしいなという話です…」

後年、退場させられた当時の主審と再会した際に謝罪を受けたそう。日本代表は2011年以来となるアジアカップ優勝を狙っているが、今大会の開催地も同じくカタールだ。

「吉田麻也と同僚だった最強ベストイレブン」が豪華すぎる

なお、「チャレンジ&カバー」は惜しまれつつも昨年末で番組が終了したが、同じTOKYOFMで「吉田麻也の切り替えて行こう!」という新番組がスタートしている。

© 株式会社ファッションニュース通信社