〈1.1大震災〉輪島市長2次避難呼び掛け ライフライン復旧3カ月以内 避難所3カ所を訪問

避難所で被災者と言葉を交わす坂口市長=15日午前9時10分、輪島市鳳至小(代表撮影)

 輪島市の坂口茂市長が15日、市内の鳳至小を含む避難所3カ所を訪問した。電気などのライフラインについては3カ月以内に応急復旧させる考えを示し、住民には市外への2次避難を呼び掛けた。

 鳳至小体育館では、坂口市長が被災者に「ライフラインが大変な状況になっている。まず体を一番大事にしていただきたい」などと呼び掛け、舞台に上がると「一日も早い復旧に努めているけど、少し時間がかかる。輪島病院もいっぱいいっぱいの状態。2次避難所へ行くことも考えてほしい」と訴えた。

 被災者の受け止めはさまざまだ。近く市外へ離れるという69歳の男性は「市長があらためて説明に来たということで良かった。94歳の母親は歩くこともままならない状態でここにとどまるのは難しい」と話した。一方、81歳の男性は「いろんな人に離れろと言われるけど、輪島に残ると決心している。やっぱり生まれた場所にいたい」と複雑な心境をのぞかせた。

  ●「出ていけということか」

 視察後、報道陣の取材を受けた坂口市長は、市職員や自衛隊の支援に対する感謝の声があった一方、被災者から「市外へ出ていけということか」と迫られたことに触れ、「復旧、復興をし、また輪島に戻っていただくということを丁寧に説明しないといけない」と神妙な面持ちだった。

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