日豪、周辺有事の連携強化を協議 中国を念頭、情報共有へ

 日本、オーストラリア両政府が、両国周辺で有事が発生した場合の自衛隊とオーストラリア軍の情報共有など、連携強化策を協議していることが分かった。中国の覇権主義的な行動が念頭にあり、共同訓練の拡充やオーストラリアでの長射程ミサイル発射試験も検討。日本側は連携を積み重ね、将来的に幅広い協力の在り方を示す「防衛協力指針(ガイドライン)」の策定につなげたい考えだ。複数の政府関係者が15日、明らかにした。

 政府はオーストラリアを米国に次ぐ「準同盟国」と位置付けており、対中抑止力を向上させる狙い。ただ急激に安全保障協力を拡大すれば、中国が反発するのは必至だ。

 関係者によると、東シナ海を含む日本周辺有事と同時に、南太平洋や南シナ海といったオーストラリアに近い地域で緊急事態が発生した場合を想定。両国の防衛当局間で、それぞれの有事への対処方針を擦り合わせ、情報共有の在り方を協議しているもようだ。

 両国は、部隊の往来をスムーズにする円滑化協定を結び、陸海空3自衛隊とオーストラリア軍の共同訓練を増やしている。

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