夜の市街地にみこしずらり 宇都宮二荒山神社で春渡祭 縁起物の焚き上げ無病息災願う

宇都宮二荒山神社の大鳥居をくぐって街なかを渡御するみこし=15日午後5時30分、宇都宮市馬場通り2丁目

 正月の終わりを告げる宇都宮二荒山神社の春渡祭が15日、宇都宮市馬場通り1丁目の同神社周辺で行われた。みこしの行列が中心市街地を練り歩き、今年1年の市民らの無病息災や家内安全などを祈った。

 12月15日の冬渡祭と対にする祭りで、ともに「おたりや」と呼ぶ。夜練り歩くことから「渡り夜」が語源ともいわれ、平安時代末期から続くと伝わる。

 夕方に始まったみこし渡御では、神事の後、田楽舞を奉納。神職や氏子らが列を組み、地元保存会の約100人がみこしを担いで大通りやオリオン通りを厳かに練り歩いた。

 境内では終日、正月飾りや古いだるまなど縁起物の焚(た)き上げが行われ、参拝客が立ち上る煙を浴びて体を清めた。夫妻で訪れた宇都宮市五代2丁目の田中政太(たなかまさた)さん(82)は「若い人の世話にならないよう、健康に1年頑張りたい」と話していた。

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