〈1.1大震災~連載インタビュー(4)坂口輪島市長〉上水道復旧「2カ月で」 市民の2次避難促す

  ●下水道正常化には時間

 輪島市の坂口茂市長は北國新聞社のインタビューに応じ、能登半島地震で甚大な被害を受けた上水道について、孤立集落を除いて2カ月以内の応急復旧を目指す考えを示した。下水道の正常化に向けても作業を急ぐ。市民の2次避難については「助かった被災者の命と健康を守らなければならない」と述べ、引き続き、孤立化した集落や1次避難所からの移転を促していくとした。

 輪島市内では全域で断水が発生し、下水処理場も被災した。2週間が経過しても状況は改善されておらず、トイレの水が流れないことなどから衛生環境が悪化している。

 上水道に関して坂口市町は、浄水場から配水池までの復旧を急ぐとした。その上で「水道管が破れていても、ある程度、管がつながってさえいれば、水圧を上げることで少量でも流れようになる」と指摘。2カ月以内を目標に応急復旧を進めるとした。

 一方、水圧をかけることができない下水道については、復旧に時間がかかると見込まれる。市長は「できれば3カ月以内に使えるようにしたいが、下水管がどの程度傾いているかによっても状況は変わってくる」と述べた。

 高台や山間部にも多くの市民が住む輪島市内では、道路が不通となった影響で集落の孤立が頻発した。徐々に解消されてはいるものの、14日時点で20カ所400人が孤立したままとなっている。

 海沿いの国道249号や西保地区などへの県道は復旧に年単位の時間が必要とみられており、坂口市長は「孤立地区の住民が体調を崩したり、大きな病気になったりする前に命を守らなければならない」と2次避難の重要性を語った。

 各地の避難所で新型コロナウイルスやインフルエンザが確認される中、市長は感染症を防ぐためにも2次避難は不可欠だとし「いずれは輪島に戻ってきてもらうとして、いったんは被災地外に逃れてほしい」と語った。

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