配車アプリ「GO」福井県内のタクシー6割で利用可能に 2月1日から、北陸新幹線控え利便性アップ

タクシー配車アプリ「GO」のスマートフォン画面
タクシー配車アプリの機材について説明を聞く事業者=1月15日、福井県福井市西谷1丁目の福井県自動車会館

 北陸新幹線福井県内開業を控え、県内のタクシー事業者が2月1日から、スマートフォンの配車アプリを使ったサービスを始める。既に導入しているタクシー事業者を含め、県内の約6割のタクシー車両で利用できる。県内に訪れるアプリ配車に慣れた都市部の出張客や旅行客の利便性向上を図る。

 サービスに使う配車アプリ「GO」は、島根県と鳥取県を除く45都道府県で導入されている。2023年11月時点のダウンロード数は1800万を突破し、タクシー配車アプリで最も高いシェアを誇る。地図上で乗車地を指定し、簡単な操作でタクシーを呼ぶことができる。待ち時間と料金の目安が表示されるほか、アプリ内で決済もできる。

 新幹線延伸後の交通移動手段を充実させるため福井県は本年度、法人タクシー事業者を対象に、アプリ導入に向けた車両搭載の機材購入費を全額補助。以前からアプリを導入していた車両約100台を合わせ、県内の法人タクシー車両全845台のうち474台で利用可能となる。

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 1月15日から順次、各事業者へ機材の発送が始まり、事業者13社を対象にした説明会も福井県自動車会館(福井市)で開かれた。アプリを提供するGO(本社東京)の担当者が乗務員の操作方法や車両への取り付け方法を説明した。

 県内は観光地が点在するため、初めて訪れる旅行客や出張客は事前に運賃の目安が分かることで安心感が高まり、タクシーを利用しやすくなるとみられる。福井県タクシー協会の佐々木貞明専務理事は「新たな利用者を取り込むことで売り上げ向上、業界の賃上げ、人材確保に結びつけられれば」と話していた。

 また、各タクシー事業者は県の補助を活用してクレジットカード、交通系ICカード、QRコードに対応したキャッシュレス決済端末の導入も進めている。新幹線県内開業時には約7割の車両で導入される予定で、都市部からの観光客受け入れ態勢を徐々に整えている。

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