高速道路や水道管 インフラの老朽化が深刻に「道路に穴が…」経年劣化による破損で断水懸念も=静岡

私たちの生活を支える道路や水道管といったインフラの老朽化が深刻さを増しています。そのまま放置すると重大な事故につながる恐れがあるため、管理者は急ピッチで改修作業を進めています。

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<竹川知佳記者>
「東名高速道路上り線の清水ジャンクション付近です。現在、古い道路を取り換える作業が行なわれています」

静岡市清水区で1月9日から始まったのは、東名高速道路上り線の清見寺橋での改修工事です。

1日あたり3万6000台ほどの車が行き交う道路は、いたるところにダメージを受けています。

戦後日本の発展を支えた東名高速道路。静岡県内では1968年に静岡ー富士間で開通しました。それから50年以上が経ち、東名高速道路では、コンクリートのひび割れや金属の腐食などが起こり、老朽化が進行しました。

静岡県内でも一部高速道路を通行止めにして、橋の上を通る車の負荷を直接受ける「床版」を交換するなど、順次、リニューアル工事を行なっています。

<中日本高速道路 近藤努さん>
「工事をしないままそのまま使い続けると、最終的には穴ぼこが開いたりとか、損傷が出て通行に大変支障が出てきて、高速道路としての機能を果たせない」

重大な事故につながりかねないインフラの老朽化。懸念されているのは道路だけではありません。

1月12日、静岡県富士市では、古くなった水道管に約40センチの穴が開いて水が漏れ、約2000軒が一時、水が出にくくなるなどの影響が出ました。

<記者>
「浜松市西区です。水が高く吹きあがっています。」

2023年8月には、浜松市で水道管から30mほどの高さまで水が噴き出すトラブルもありました。いずれの水道管も1960年代や1990年代に設置されたもので、経年劣化による破損が原因とみられています。

1月1日に発生した能登半島地震では、古くなった水道管の破損でいまでも多くの世帯で断水が続いています。安心安全な生活を継続するために、インフラの再整備が急がれます。

静岡県によりますと2021年度、県内で耐用年数を超えて使っている水道管は全体の23.7%を占めています。市町別にみますと、湖西市や河津町では0%など、水道の取り換えが進んでいる市がある一方、下田市で40.7%、富士市で39.2%など、自治体ごとに大きな差があります。

交換が進まない原因として、お金がかかることや業者が足りず、手配できないなどが挙げられるといいます。

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