朝乃山3連勝 亡き先代親方・朝潮の教え「前へ前へ」

 大相撲初場所(両国国技館)3日目の16日、西前頭7枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は、西前頭6枚目の湘南乃海(高田川部屋)を寄り切り、無傷の3連勝とした。今場所は、昨年11月に亡くなった先代高砂親方(元大関朝潮)の「前に出ろ」という教えの通り攻めの相撲が光る。「下がったら左脚に不安がある。前に出れば体を生かした相撲が取れる」と力を込める。

  ●「体生かす」

 朝乃山は踏み込んでぐいぐいと前へ。湘南乃海に左をのぞかせ、右もねじ込んでもろ差しに成功。「うまく左が入ったので、体を密着させた」と一気に寄り切った。

 場所前の稽古では得意の右四つではなく、左四つを試す場面があった。「湘南乃海関とは巡業の稽古でも右四つになったり、なれなかったりだった。左差しというのもある程度は頭に入れていた」と明かす。研究の成果を発揮した形にも「しっかりまわしを取らないと突き落とされる」と反省を忘れなかった。

 3日目にして早くも勝ちっ放しは5人に絞られた。4日目は過去2戦とも敗れている東前頭8枚目の北青鵬(宮城野部屋)との一番が組まれた。目標とする優勝争いに加わるためにも「一番一番が大事になってくる。明日の相手は特に」と意識していることを明かす。

 204センチと長身の北青鵬には「胸が合うと、きつい」と警戒。それでも「自然体で肩の力を抜いていく」と静かに雪辱を誓う。

 初日からの3連勝は昨年5月の夏場所以来4場所ぶり。目の前の一番に集中すると強調し「明日に備えてご飯を食べて、寝るだけ」と語り、会場を後にした。

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