地震で落下の10万冊元通り 富山市立図書館本館17日再開

書架から落ちて散乱した本=1日、富山市立図書館本館(同館提供)

  ●「ようやく迎えられる」

 富山市立図書館は17日、能登半島地震で書架から落下した約10万冊を棚に戻し終えたことから、今年初めて開館する。2日から臨時休館を余儀なくされ、職員総出で復旧を急ぎ、市内の別の図書館職員の応援も得た。越野伸二館長は「ようやく市民の皆さんを迎えられる。多くの人に利用してもらいたい」と期待した。

 図書館は、富山市の複合ビル「TOYAMAキラリ」に入居している。1日は休館日だったが、地震後に職員が確認のため訪れると、落下した本が散乱していた。4段の書架については、上から1~3段目までの本のほとんどが落ちていたという。越野館長は「がくぜんとした」と振り返る。

  ●傷んだ本は500冊

 2、3日は臨時開館の予定だったが休館とし、4日から復旧に当たった。傷んだ本は約500冊あり、うち約50冊は廃棄せざるを得ないという。

 越野館長によると、書架は床に固定されており、倒れることはなかったが、地震の際に大きく揺れて本が落ちたとみられる。越野館長は「復旧作業の手伝いをしたいと伝えてくれた市民もいた。開館を待ち望む声にやっと応えられて良かった」と語った。

 県内では、氷見、高岡市などの図書館でも本の落下などで臨時休館したが、16日までに再開している。所蔵数が多い富山市立図書館の開館が一番遅くなった。

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