3月の卒業式シーズンを控え、栃木県那須烏山市小原沢の福田製紙所の工房「和紙の里」で、卒業証書用の烏山和紙作りが大詰めを迎えている。
那須楮(こうぞ)を原料とする烏山和紙は厚みがあり丈夫なのが特徴で、県内外の小中高校など130校ほどが卒業証書に使っている。今季の作業は昨年10月ごろに始まり、2月下旬までに約2万3千枚を納品するという。
17日も終日、水槽に入った液状の「紙料」をすき桁ですくったり、水を絞った紙を乾燥させたりする作業が進められた。
同製紙所の福田博子(ふくだひろこ)代表(54)は「卒業証書は受け取った方の歴史を末永く残す大切なもの。心を込めて丁寧に作っている」と話した。