長崎・雲仙市職員が県連携勉強会で実例紹介 「災害現場では人命救助が最優先」

災害報道の在り方について市職員の立場で講演する中村さん=県庁

 民家2棟が全壊し住民3人が亡くなった2021年8月の長崎県雲仙市小浜町雲仙の土砂災害で、現地で取材する報道陣の対応にあたった雲仙市広報推進課の中村亮介さん(48)が16日、長崎市内であった県災害報道連携勉強会で講演した。
 勉強会は22年から実施。県や県内市町の防災担当者、報道機関の記者ら約30人が参加した。
 長崎新聞社での記者経験もある中村さんは災害報道について「リアルを伝えたいという使命感は記者の職責。自分もそうだった」と振り返る一方、「現場では人命救助が最優先。報道機関の取材活動が、その支障になることもある」と指摘した。
 市は当時、報道機関に対し▽1日2回、定時に記者発表▽職員が現場で撮影した写真や動画を毎日渡す-などの対応でニュース素材を提供したと紹介。「報道機関と広報担当が互いの役割を自覚し、対等な立場でぶつかることが必要」と話した。

© 株式会社長崎新聞社