最大震度7・石川県志賀町の避難所の状況、愛知県職員が語る 愛知県民の食料の備蓄は4割にとどまる

テレビ愛知

能登半島地震の発生から2週間が過ぎ、多くの人が避難所での生活を余儀なくされています。最大震度7を観測した石川県志賀町で避難所運営の支援を行った、愛知県防災安全局の高井良澄さんに話を聞きました。

物的資源

高井さんは1月6日に愛知県庁を出発。13日までの1週間、被災地の志賀町に派遣され、避難所の運営支援に携わりました。

愛知県防災安全局 課長補佐 高井 良澄さん:
「私が避難所に行ったときには、被災者が1000人ほどいました。1週間程度経過した段階で、物資が滞っている避難所がありました。食料や飲料水などの生活必需品が手元まで届かない。役場にある物資の拠点までは間違いなく届いていましたが、そこから被災者の手元に行き渡っていない状況でした。限られた人の中で、あらゆる災害対応業務をやらなければなりません。役場の人も苦労されたと思います」

人手が何人必要なのか、あらかじめ想定しておくことが大切

各市町村、人・物の数は限られている

その後、他県からの応援職員も増え、支援物資が被災者の手元に届かないという課題は解決されました。しかし、人と人との距離が取りづらい避難所では、新たな問題が発生していました。

高井さん:
「避難所の中でインフルエンザや新型コロナに感染した方が発生して、その対応がありました。感染症対策は各避難所で実施していましたが、陽性者が多数発生したというのは想定外でした。急きょ、町の方にお願いをして感染者専用の施設を1カ所設置してもらい、区別するスペースを用意しました。

各市町村でも、人的資源や物的資源が限られています。また、役場の職員も被災者です。被災したときに、どのような業務がどのタイミングで必要になるのか。その業務を速やかに実施するためには、人手が何人必要なのか。どのような技術を持った人が何人必要なのかを、あらかじめ想定しておくことが大切だと思います」

4人に1人は食料品の備蓄を1日分も用意していない

食料の備蓄状況 ※グラフは愛知県調べ 2023年9月~10月

今回の支援活動から個人での備えの大切も実感したとのことです。

高井さん:
「飲料水や食料等の他県からの応援物資は、配送手配等で3日目以降になってしまいます。そのため、家庭内備蓄をぜひやっていただきたいです」

家庭で最低3日分は食料と飲料水を備蓄してほしいとのことですが、実際に愛知県民はどれだけ備蓄しているのか。愛知県が2023年に調査した非常用食料の備蓄状況についてのアンケート結果を確認します。

3日分以上の食料を備蓄している人は、約40%にとどまっています。最低3日の備蓄は国も推奨している量ですが、実際に備蓄している人は半分以下の結果に。さらに、26.3%は食料品の備蓄を1日分も用意していない状況です。

4人に1人の方が何も用意されていないとのことで、これは改善する必要があると感じます。

飲料水の備蓄状況

続いて、飲料水の備蓄状況です。3日分以上の飲料水を備蓄している人の割合は50%。非常食などの備蓄よりは少し増えた印象を受けます。

非常用グッズ

ほかにも家庭での災害対策について調査した結果です。簡易トイレは、27%の人が備蓄していました。懐中電灯や医薬品などの防災セットは、大体50%程度用意しているというデータが出ています。

消防署員によると、家具を固定していないと地震が起きたときに家具が飛び交う状況になり、備蓄品がどこにあるのか分からなくなってしまうこともあるそうです。防災セットや食料品の備えに加えて、家具を固定することも大切です。

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