元日の夕刻、石川県内で最大震度7を観測した能登半島地震。18日午後2時現在、死者は232人、安否不明者は21人に上る。発生から間もなく20日。いまだ被害の全容は明らかになっていない。下野新聞記者は13~15日、甚大な被害を受けた同県輪島、珠洲の両市を中心に取材に入った。
現実とは思えない光景が眼前に広がっていた。横倒しになったビル、ひび割れて隆起した道路、地面を突き破って飛び出たマンホール…。倒壊した家屋が路地をふさぐ。津波被害を受けた沿岸部では、流された車両が家に突っ込んでいた。建物の土台しか残っていない場所もあった。地震のすさまじさが想像された。
警察、消防、自衛隊など、全国から集まった部隊が最前線で捜索などの支援に当たる。栃木県警の緊急災害警備隊は約200棟が焼けた「輪島朝市」で、建物のがれきや車の残骸が残る現場を捜索した。
新年を祝う日から一転、多くの住民が非日常の生活を強いられている。電気や水道は断たれたまま。「ずっと夢の中にいるようで感情の整理がつかない」。そう口にする被災者もいた。
被災地に残る激震の深い爪痕。実情を写真で伝える。