激震の被災地、爪痕深く 能登半島地震 本紙記者写真ルポ

元日の地震から2週間となったが、倒壊した家屋は手付かずのままになっている=15日午前10時30分、石川県珠洲市

 元日の夕刻、石川県内で最大震度7を観測した能登半島地震。18日午後2時現在、死者は232人、安否不明者は21人に上る。発生から間もなく20日。いまだ被害の全容は明らかになっていない。下野新聞記者は13~15日、甚大な被害を受けた同県輪島、珠洲の両市を中心に取材に入った。

 現実とは思えない光景が眼前に広がっていた。横倒しになったビル、ひび割れて隆起した道路、地面を突き破って飛び出たマンホール…。倒壊した家屋が路地をふさぐ。津波被害を受けた沿岸部では、流された車両が家に突っ込んでいた。建物の土台しか残っていない場所もあった。地震のすさまじさが想像された。

 警察、消防、自衛隊など、全国から集まった部隊が最前線で捜索などの支援に当たる。栃木県警の緊急災害警備隊は約200棟が焼けた「輪島朝市」で、建物のがれきや車の残骸が残る現場を捜索した。

 新年を祝う日から一転、多くの住民が非日常の生活を強いられている。電気や水道は断たれたまま。「ずっと夢の中にいるようで感情の整理がつかない」。そう口にする被災者もいた。

 被災地に残る激震の深い爪痕。実情を写真で伝える。

路面から突き出たマンホール。液状化の影響とみられる=14日午前6時40分、石川県輪島市
津波で岸に打ち上げられた船=15日午前9時15分、石川県珠洲市
全国から駆け付けた緊急車両で車列ができる幹線道路。通行可能な道路は限られ各所で渋滞ができた=13日午前11時45分、石川県輪島市
輪島港近くの観光施設では、自衛隊員が機敏に支援物資を運んでいた=14日午前10時45分、石川県輪島市
避難所となった小学校で炊き出しをする新潟県のボランティアたち=15日午後4時40分、石川県珠洲市
「輪島朝市」の火災現場にひっそりと手向けられた花=13日午前10時40分、石川県輪島市
火災で焼失した「輪島朝市」の捜索に当たった栃木県警の緊急災害警備隊=14日午後0時5分、石川県輪島市
雪が降る中、火災で焼けた「輪島朝市」を捜索する自衛隊員たち=13日午前10時40分、石川県輪島市
倒壊した建物の脇を通り、捜索活動に向かう県警の緊急災害警備隊=14日午後1時30分、石川県輪島市
火災で焼失した「輪島朝市」の様子を確認する被災者ら=14日午後1時45分、石川県輪島市
根元から横倒しとなったビル=14日午前7時、石川県輪島市
路面が崩壊し片側通行となった道路。各所でこうした被害があり、渋滞の原因となっている=13日午前9時5分、石川県輪島市
入り口に正月飾りが飾られたままの喫茶店。隣には立ち入りの危険を示す赤い紙が貼られていた=14日午前9時25分、石川県輪島市
倒壊した建物でふさがれ、通行できなくなった住宅地=15日午前9時50分、石川県珠洲市
津波が押し寄せた沿岸部では家財道具などが散乱していた=15日午前9時40分、石川県珠洲市
小学校に設けられた避難所。教室内に寝具などが置かれていた=15日午後4時25分、石川県珠洲市(超広角レンズ使用)
小学校の校庭で始まった仮設住宅の建設作業=15日午後2時45分、石川県珠洲市

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