W杯ジャンプ女子蔵王大会、きょう開幕 恵みの雪で会場真っ白、舞台整う

ジャンプ台の着地斜面を踏み固める関係者。雪不足を乗り越え、大会開催にこぎ着けた=山形市・アリオンテック蔵王シャンツェ

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会が、きょう19日、山形市のアリオンテック蔵王シャンツェ(市蔵王ジャンプ台)で開幕する。暖冬による雪不足で、開催も危ぶまれたが、雪を運び込み、なんとか会場を整備。直前には雪がまとまって降ったことで、18日には予定通り公式練習と予選を行うことができた。関係者からは一様に安堵(あんど)の声が聞かれた。

 「やっと準備が整った」。大会実行委員会事務局を務める市スポーツ課の早坂正伸課長は胸をなで下ろした。10日前の会場付近の積雪は25センチ。開催には圧雪で45センチ確保する必要があり、8日には冬季閉鎖中の山岳観光道路「蔵王エコーライン」(上山市)から、10トントラック245台分、計約1960立方メートルを運び込んだ。ただ搬入した雪は、シャーベット状の細かい氷の粒が混ざっており、着地斜面になかなか根付かなかった。14日から15日朝のまとまった降雪は「恵みの雪」となった。

 祖父母が本県出身の高梨沙羅選手(クラレ)は予選を全体6位で通過。「雪が少ないと聞いていたけど、会場が真っ白で感動した。ジャンプ台を造ってくれた山形の皆さんの期待に応えられるよう、いい結果を残したい」と意気込んだ。大会は19、21の両日にノーマルヒル個人戦、20日に同スーパー団体戦を行う。個人戦に14カ国の50人、団体戦は13カ国から26人がエントリーしている。

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