守備力向上がPO進出の鍵 バスケ男子B2・ワイヴァンズ、あす20日から後半戦 

前半戦を東地区3位で折り返したパスラボ山形ワイヴァンズ(紫色のユニホーム)の選手ら=2023年12月、山形市総合スポーツセンター

 バスケットボール男子・Bリーグ2部(B2)は20日から後半戦に入る。東地区のパスラボ山形ワイヴァンズは前半戦30試合を17勝13敗で折り返し、現在9連勝中。プレーオフ(PO)進出圏の3位につけ、上山市の三友エンジニア体育文化センターで4位青森との2連戦を迎える。2~4位が勝利数2差にひしめき1勝の重みが一層増す。課題の守備力を向上させ、失点を抑えられるかが鍵になる。

 今季、チームは3点シュートを積極的に狙い、人とボールを速く動かす展開を目標に掲げる。前線からの激しい守備の浸透も図っている。2023年10月の開幕後、ゴール下やリバウンド争いでの弱さが浮き彫りになった。押し込まれての失点を重ね、守備リバウンドからの速攻という理想の展開に思うように持ち込めなかった。改善へ、相手に体を当てるなどボール奪取への個々の意識付けを徹底した。

 転機は第11節の首位A千葉戦。攻撃リバウンドで互角に渡り合うなど食らいついた。今季最多のリーグ戦5連敗とした2連戦だったが、工藤貴哉は「展開が速く自分たちの望むバスケが見えてきた。この戦いを続ければ他のチームに勝てる」と自信を手にした。直後の第12節岩手戦から白星を積み重ね、チームは連勝記録を9に伸ばした。

 主将の鈴木大(日大山形高出)は「練習からリバウンドを意識できている」と好調の要因を明かす。前半最終戦の静岡戦では、それを証明するように、チームの1試合平均のリバウンド数を約15本上回る、49本を奪ってみせた。開幕戦で負傷したルーズベルト・アダムスの復調も大きく、守備で勝利に貢献する。攻めてはジェームズ・ベルが勝負どころでシュートを決め、高い攻撃力を発揮する。

 ここから真価が問われる。山形の3点シュートの試投数はリーグ屈指。成功率は首位A千葉と1.5ポイント差の同35.2%と威力を示す。鈴木は「シュートを打ち切る力を伸ばしていきたい」と話す。

 一方、リバウンドは同35.2本で13位、失点は同84.1点で4番目に多く、依然として弱点といえる。司令塔の村上慎也とアダムスは「失点が多いので70点台にしたい」「途中で崩れ、追い付かれる試合が多かった。より高い守備力が求められる」と語る。

 POには8チームが出場できる。東西各地区上位3チームと、地区を問わず勝率の高い2チームが進出する仕組みだ。昨季は28勝、勝率4割6分7厘で並んだ福島が7位、青森が8位で滑り込んだ。石川裕一ヘッドコーチは昨季を踏まえ「最低ラインは27、28勝だと思う。勝率5割以上を目指し、ホームでPO開催できれば一番良い結果」と上位進出を虎視眈々(たんたん)と狙う。

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