公益大ラーメン同好会が「麺恋の」出店 酒田愛マシマシ「恩返ししたい」

「ら~めん麺恋の」をオープンさせた佐藤諒多さん=酒田市

 東北公益文科大(酒田市)のラーメン同好会「麺恋(めんごい)の」の学生が、同市亀ケ崎5丁目の国道7号沿いにラーメン店「ら~めん麺恋の」をオープンさせた。会長で店主の4年佐藤諒多さん(21)は運営母体MENGOINOを昨年設立した“大学生社長”だ。起業を通じて「生まれ育った酒田に恩返しがしたい」と話している。

 同好会は佐藤さんが1年時の2020年11月にラーメン好きの友人と発足させた。現在は学生13人が所属している。当初は食べ歩きを楽しむ会だった。そのうちに「山形の良さを伝えたい」という思いから、県内企業とタッグを組んで袋麺を開発したり、酒田市や全国の有名ラーメン店が集う「酒田のラーメンexpo」に参加したりして活動の幅を広げてきた。

 その傍ら、夢見ていたのが「自分たちの店を持つこと」。メンバーの家に集まり、独学でラーメンの試作を重ねてきた。佐藤さんが昨年5月に運営母体となるMENGOINO株式会社を設立。空き店舗を借り、学生などをスタッフとして雇う形で昨年12月にオープンした。

 看板メニューは「しょうゆら~めん」(850円)。鶏と魚介がベースのダブルスープで、鶏油を加えてこくを出した。中細ストレート麺を合わせ、幅広い世代が食べやすいあっさりした味わいに仕上げている。味にぶれがないように作り方をマニュアル化し、学生たちで共有している。

 同市出身の佐藤さんは「地域のつながりが深いところが酒田の魅力。このつながりを切り離したくないから、進学や就職で県外に出ようとは思わなかった」ときっぱり。店の内装や看板はなじみのある業者に依頼し、オープン後も近隣住民が応援に駆け付けてくれた。

 同社ではラーメン店の運営だけでなく、大学で学んだことを生かして訪問介護事業にも取り組んでいる。

 【メモ】ら~めん麺恋のは酒田市亀ケ崎5の14の23。営業時間は午前11時~午後2時半。水曜定休。今後、塩ラーメンや担々麺も提供する予定。詳細は同店の交流サイト(SNS)で発信している。

「ら~めん麺恋の」の「しょうゆら~めん」

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