県大隊の活動終え帰還 能登半島地震 被災地の状況など報告 上越地域消防局 24隊88人が参加

中川市長に活動内容を報告する古川さん(中央)と岡田さん(右)

1日に発生した能登半島地震を受け、緊急消防援助隊県大隊として県内の消防職員延べ228隊872人が15日まで、石川県に派遣された。17日、活動を終えた上越地域消防局職員が管理者の中川幹太上越市長を表敬、被災地の状況や活動内容を報告した。

県大隊は上越地域消防局を出発拠点とし、1日から15日まで全4次隊を派遣。同局からは延べ24隊88人が参加し、石川県輪島市名舟町の土砂崩れ現場や輪島朝市通りの火災現場などで捜索、救助活動に当たった。

1次隊は活動拠点確保を目指し、2日午前3時30分ごろに金沢競馬場(金沢市)に到着。3日午後7時ごろに和倉温泉運動公園(七尾市)、次いで4日午前6時ごろに能登町やなぎだ植物公園と、現場近くに拠点を移した。2次隊は土砂崩れ現場の倒壊家屋での捜索、地理や水利の調査を担当。3次隊は土砂崩れ現場の捜索救助活動を継続。4次隊は輪島市内での捜索救助活動、巡回を行い、兵庫県に引き継ぎ県大隊の活動を終了した。

上越地域消防局は派遣中、6件7人の救急搬送を実施。倒壊家屋の捜索で生き埋めになった2人の発見に協力(いずれも死亡)したほか、通信支援隊として衛星電話などで通信確保や活動前線基地との情報共有に尽力。県内の消防で唯一配備されている、燃料補給車による重機への給油も行った。

上越地域消防局第1次派遣部隊長の古川敦予防課副課長(50)は「現場近くに拠点を設置したいが、時間経過で道路が不通になることもあり、情報収集と共有の大切さを思い知った。今後もいかに急な災害に対応できるか、訓練していかないと」、同第2次派遣部隊長の岡田昌也上越消防署副署長(49)は「現場では余震で作業中断や、水、トイレなし、降雪といった厳しい状況で、生活環境を整えながらの活動となった。上越の地でも環境、状況に応じて活動できるよう、訓練につなげていきたい」とそれぞれ報告。中川市長は無事に戻ってきた職員たちをねぎらい感謝するとともに、「上越でもまだ被害状況の確認中だが、災害復旧支援にできるだけ協力していきたい。皆さんも今回の経験を、引き続き次世代へとつないでいってほしい」と話した。

石川県輪島市名舟町で捜索救助活動に当たる第2次派遣隊(青色服が上越地域消防局職員、提供写真)

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