陸上自衛隊で暴力、国に賠償命令 目にレモン汁強要も、熊本駐屯地

 陸上自衛隊北熊本駐屯地の隊員だった20代男性が、営内などで暴力を振るわれたり、レモン汁を目に入れるよう強要されたりするパワハラを受けたとして、国や上の階級だった5人に計約1130万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は19日、計約260万円の支払いを命じた。

 品川英基裁判長は判決理由で、男性が被った肉体的、精神的苦痛は「想像に難くない」と指摘。営内生活の全てが職務行為ではなく悪ふざけもあるとする国側の主張に対し、複数の暴行や強要行為は職務行為の範囲内で、損害賠償の責任を負うと判断した。

 5人のうち2人は罰金の略式命令を受け、5人とも停職や戒告の懲戒処分などを受けた。

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