海自みくま艦長・藤井氏「即応の心構え」 佐世保配備の新型護衛艦【インタビュー】

ロシアによるウクライナ侵攻などの安全保障環境を踏まえ「即応の心構えが必要だ」と話す藤井艦長=「みくま」艦上 海自の護衛艦「みくま」=佐世保市

 佐世保を母港とする海上自衛隊の新型護衛艦「みくま」の藤井信樹艦長(49)=2等海佐=が、長崎新聞社の取材に応じた。佐世保は軍備増強を進める中国などと近い立地にある。ロシアによるウクライナ侵攻など世界の安全保障環境を踏まえ「即応の心構えが必要だ」と述べた。

 -新型多機能フリゲート艦(FFM)「みくま」の特徴は。
 船自体がコンパクトに造られている。乗員数は、これまでの護衛艦は約200人だったが、みくまは91人でほぼ半減。機器の自動化も取り入れている。機雷を除去する機能を持ち合わせていることが、他の護衛艦との大きな違いだ。隊員一人一人の能力も問われ、責任も重くなっている。

 -世界の安全保障環境をどう見ているか。
 厳しくなっており、文字どおり「力による現状変更」を感じている。FFMに求められる能力を発揮できるように、新しい装備を使いこなすなど練度を高めなければいけない。即応の心構えが必要だ。

 -佐世保の立地をどうみているか。
 船は移動するので、どこにいても同じ緊張感を持っている。ただ佐世保は重要な場所と言える。突発的に何かが起こった時は、まず近いところから対応する。佐世保で勤務する艦艇の艦長として強く意識している。

 -自衛隊でのハラスメントが問題になっている。再発防止や対策などの考えは。
 業務上、縦の命令系統は重要で、信頼関係がなければ成り立たない。ハラスメントは自衛隊の信ぴょう性を揺るがす大きな問題だ。何がハラスメントにあたり、見つけた時にどうするのかなど、乗員には定期的に教育している。
 海の上では、他とのつながりが絶たれる。船全体が家族であり、助け合わないといけない。これ以上、つらい思いをして命を絶つことがあってはならない。


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