能登半島地震で被災した珠洲市の中学生102人が21日、避難先の金沢市へ出発した。生徒の集団避難は輪島に続き2例目。生徒は笑顔で「行ってきます」と、ふるさとにしばしの別れを告げ、家族は涙ぐみながら送り出した。
避難したのは珠洲市内の中学生全199人のうち、1年生24人、2年生46人、3年生32人。教職員8人も同行し、金沢市の医王山スポーツセンターで授業を行う。
珠洲市民図書館では21日午前、大きなバッグを持った生徒のほか、別れを惜しむ家族や友人が続々と集まった。出発時には家族がバスに向かって手を振り、「頑張って」「元気でね」と声を掛けた。
緑丘中1年の権元(ごんげん)琉奈さん(13)は「珠洲を離れる不安はあるが、友達も一緒に行くので心強い」と話した。中学1年の長男を送り出した会社員澤村博司さん(44)は「親としては正直残ってほしいとも思うが、子どものことを思うと整った生活環境で過ごしてもらうのが一番。また笑顔で帰ってきてほしい」と話した。