「ゆったりとした姿勢で耳傾けて」吃音の教員志望者が模擬授業「安心と自信に」成果かみしめ

吃音をテーマにした模擬授業で生徒役の参加者同士の討論に加わる白井さん(左から3人目)=福知山市三和町・旧川合小

 滑らかな発音が苦手な、吃音(きつおん)のある教員志望の若者による模擬授業の催しがこのほど、京都府福知山市三和町の旧川合小であった。府内の大学生ら3人が教員役を務め、吃音に関心のある参加者約20人が授業やケーススタディーを通し、症状などへの理解を深めた。

 模擬授業は、同志社女子大3年の白井香里さん(21)=城陽市=が企画。吃音への理解を広める活動を続ける当事者でもある奥村安莉沙さん(31)=東京都目黒区=が発起人の「号令に時間がかかる教室」が支援し、府内で初めて実施した。

 白井さんと大学生、高校生の3人が教員役を務めた。白井さんは「ゆったりとした姿勢で耳を傾けることや吃音のある人への共感が大事」と語りかけた。

 生徒役の参加者は、カフェや学校を想定したグループ討論も行い、「代わりに注文してあげる」という意見がある一方、吃音を知られたくない思いもある人がいるなど望む対応が人によって違うことも学んだ。

 白井さんは「安心して授業を進められた。教育実習に生かしたいし、同じ症状を持つ人たちの自信につながってほしい」と話した。

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